2006年01月07日

「エクセルギー」のすすめ―熱力学の革命がはじまっている ブルーバックス 押田 勇雄 (著)

「エクセルギー」のすすめ―熱力学の革命がはじまっている ブルーバックス
押田 勇雄 (著)新書(1988/04)講談社
……わたしは、熱量の代わりに、
(熱量)×(温度差)
なる量を使って、集光器の性能の評価をすべきことを提唱した(一九七六年)。(P.20‐21)
……
 わたしは、当時まだ少なかった、エクセルギーについての、機械工学者による解説を読んでみた。(P.21‐22)

第二章 資源と環境でエクセルギーを考える(37頁)
1 死の熱力学に生命をふきこむ
 …宇宙の「熱的死」…
 それはともかく、今の熱力学の中に非平衡を持ちこんだのは、不可逆過程の熱力学と呼ばれる、比較的新しい一群の仕事だが、それすらも、平衡状態からほんのわずかずれた非平衡状態を論じるところから出発しようとしている。(39頁)
 このように、今日の熱力学で論じる系は、はじめから平衡系である。すなわち、系そのものはつりあいの状態にある。そこで状態量という量が重要な量として登場する。
 状態量というのは、温度や圧力など…で状態を指定すれば、それにつれて数値が一つにきまる量で、たとえば、体積や密度、前に出たエントロピーなど、熱力学に出てくる量は、たいていこのような状態量とみてよい。
 ただし、状態が与えられても、一つに定まらない熱や仕事は、状態量ではない。
 状態量が定まるためには、系(もの)のどの部分についても、その数値は同じものでなければならない。すなわち、平衡(つり合い)の状態にその系がなければならない。(40頁)
 ところで、これから説明しようとしているエクセルギーは、実はこういう意味での状態量ではないのである。なぜなら、エクセルギーを考えるときに対象となる系(もの)は、はしめから環境とは平衡にない(つり合っていない)のである。
 ・・・・・・
 そもそも、非平衡(つり合いにないこと)こそ、あらゆる自然現象や生命現象を起こす原動力であり、前にもいったように、平衡(つり合い)は死の世界を意味する。
 非平衡を最初から仮定して進むエクセルギーこそ、つり合いの、したがって死の熱力学に生命をふきこむ新しい概念であるというのは、けっしていい過ぎではないのである。(41頁)

第四章 エントロピーとエクセルギーのかかわり
4 ゆらぎとエクセルギー
 統計力学の本を見ていて、エクセルギーの式(4.2)とまったく同じ式に出会ったときは、ちょっとびっくりした。
 それは「ゆらぎ」の項に出てくる。(P.96)
 ・・・・・・
 ところでとしてどのような種類のエネルギーを採用すればよいのか。
 ソ連の物理学者ランダウとリフシッツは、このエネルギーの表式としてエクセルギーの表式(4.2)と同じものに到達した(1938年)。(P.97)
 ・・・・・・

5 エントロピーとエクセルギーの関係

 グイ(1889年)とストドラ(19101898年?)は次の定理(グイ・ストドラの定理)を見出した。もっとも、彼らの時代にはエクセルギーという術語はまだ無かったので、有効エネルギーということばを使っているが、エクセルギーに直すと、

  「エクセルギーの減少量は、生成エントロピーと環境温度との積に等しい」

 このことは式(4.2)を一見すればわかるので、証明は不要であろう。(P.100‐101)

エクセルギー逓減極小の原理(P.156)
最大原理、または、最速原理(P.170)
もったいない(P.179の挿絵)
メカノケミカル(P.193)

エネルギーとコストをつなぐもの(P.206)
・・・明快な結論がここで得られたわけではない。(P.210)

10 自然エネルギー利用とエクセルギー
 自然エネルギーは環境のエネルギーだから、エクセルギーの立場で言うと、基準、すなわちゼロのエクセルギーである。
 ゼロのものが使えないのは当然だから、自然エネルギーの利用という場合の自然は、一様な自然ということでなく、不均等(インホモジニアス)な環境であって、その不均等さが持っているエクセルギーを利用するのが、自然エネルギー利用の本質である。(P.214)

 現実の革命は、力の闘争という面が強い。ありがたいことに、科学・技術の世界の革命は、最後に正しいものが勝つに決まっている。
 わたしは「エクセルギーは正しい」と信じている。この本を読了されたみなさんはいかがであったであろうか。(P.218-219)
posted by raycy at 15:19| Comment(0) | TrackBack(3) | 本メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

もったいなさの定量的表現の理論的基礎:0.テーマ決めの拠りどころ
Excerpt: 「もったいない」は残存価値や理想プロセスと乖離した低効率で物事が放置された状態を形容する場合に使われていることがある。値打ちを値踏みする形容ことばだ。 これとちょっとは似た値打ちの値踏み表現に「あり..
Weblog: mottainai Labo もったいない研究所
Tracked: 2006-11-29 00:56

0.001 蓋をする者。予告っぽく。とりあえずタイトル。杭を打つ者。<<>>田を作る、場を作る、排除しない、、、せめて根絶しない、、、ホロコーストしない、、、。根絶はできない!?どっこい生きていこう。「どっこい」でいこう!!
Excerpt: 城壁都市を征服した軍は正しい http://blog.goo.ne.jp/raycy/e/c5625ce1386550a4887cf822576b6401 霊犀社2 日本語なるほど塾・にほんごの立役者..
Weblog: mottainai Labo もったいない研究所
Tracked: 2006-11-30 16:30

自然エネルギーはゼロのエクセルギー。利用対象の非平衡は、一様でないインホモジニアス不均等な自然環境
Excerpt:  自然エネルギーは環境のエネルギーだから、エクセルギーの立場で言うと、基準、すなわちゼロのエクセルギーである。  ゼロのものが使えないのは当然だから、自然エネルギーの利用という場合の自然は、一様な自然..
Weblog: 霊犀社2
Tracked: 2008-03-05 23:10
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。