2008年06月28日

定石無法地帯 山部俊郎

定石無法地帯 / 山部俊郎. -- 日本棋院, 1975. -- (ゴ・スーパーブックス)

凡例
著者が無法性ありと挙げる、定石はずれ、非定石、異法
定石、ないし、引用者が成立すると思うこと。
引用者が、真偽微妙と感じること、
1 ツケにハネず

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原型2のノビが定石はずれ
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 専門棋士が皮肉やら雑談まじりで観戦できる程度に腕のたつひとがいるのが当然なら、またきのう今日碁を覚えたという、はた目にも弱いな、とうつるひとがいるのも事実だった。折りしも十級ぐらいと覚しき若者が十五、六級さんに何目か置かせて打っている局に、こういうのがあったので、それをサカナに本講を始めることにしよう。
 原型 その十級さん、白をもって星から黒1のツケに、2と下にノビていったものだから、気の弱い小生、いささかどぎもを抜かれた。だいたいこういうところは――


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1図
 1図 定石 白2とハネるにきまっており以下黒7までが定石であることは、読者の先刻ご承知のところ。ツケにはハネよである。
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2図
 2図 さて十級さん、白2のノビに対し、今度は十五、六級さん黒3と隅をオサエ、白4、黒5と運んで、ここでお二人顔を見合わせて「定石だネ」とのたまった。


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白1、黒2
3図
 見る風でもなく観戦していた小生、驚きで再び心臓が凍るような思いをした。
 小生も高段者のはしくれ、アマチュアの碁は無言で鑑賞するのを徳としているから、ニヤリともせずその場を立ち去ったが、読者もお察しの通り、こういうところは3図のように打つものですよと、丁寧にお教えしたい気持ちがあとまで残ったことである。(P.6‐8)

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2 星からのツケ切り
 世に囲碁出版の数かぎりなく、この職にある小生としても同慶至極に存じている次第であるが、碁の本が流布しているのだから、昔とちがって定石を知らないファンはまずあるまいと思っていると、これが然らず。

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原型3の切りは異法
 原型
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こういう打ち方もまったくないわけではないが、盤面のまだすけすけの序盤でこれを演じて、そう打つほうがサバきやすいといわんばかりの顔をするのに、気の弱い小生、いささか毒気をぬかれて、出かかった言葉をのみこんでしまうのである。


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1図
 1図 定石 どんな定石書にも、黒1,3とツケノビるのが常形なりと書かれ、せいぜい3をaとオサエる別形が示される程度が普通である。
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┼┼┼●○cd┼┼┤
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2図
 2図 白の応法
 ところがあえてその常識を破るからには、例えばシチョウ有利によってうまい結果を得たとか、あるいは相手(この場合ウワ手ですぞ)が応手をまちがえたとか、そういう根拠があってのことにちがいないのである。その無法性を理非を尽くして解明するのが本書の目的であるが、このツケ切りには白の考えられる応法として、aのアテから黒b、白cとツグ手、白cでdとハネる手や、はたまた白eのコスミ、のサガリなどがあることをはじめにいっておこう。
 しかし途中の変化で白がちょっと威張ったことを打つと、たちまち黒に尻尾をつかまれ、白としての面目を失墜するのでご用心ありたい。(P.16‐18)
テキスト碁盤作成ツール をIEから利用しました。
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現代日本文化論 (7)体験としての異文化 河合隼雄 養老孟司

現代日本文化論 (7)体験としての異文化@amazon 河合 隼雄 養老 孟司 (1997/2)
出版社/著者からの内容紹介
人,物,情報が自由に世界を移動するグローバル化時代の到来の中,日本文化はどのように変わりつつあるのか.日本特殊論や雑種文化論をこえて,内と外の異文化を新しい視点でみつめ,多様な文化や価値が共存する道を探る.【執筆】イ・ヨンスク,今枝由郎,木村汎,橘川次郎,多田富雄,西江雅之,港千尋,山田尚勇.

内容(「MARC」データベースより)
グローバル化時代の日本文化のゆくえとは。異文化の共存と対話について、文化論、クレオール語、日本の宗教状況などをテーマに考える論文集。〈ソフトカバー〉
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オールドパンク、哄笑する―チャールズ・ブコウスキー短編集 チャールズ ブコウスキー、Charles Bukowski、 鵜戸口哲尚

オールドパンク、哄笑する商品の詳細@amazon―チャールズ・ブコウスキー短編集 チャールズ ブコウスキー、Charles Bukowski、 鵜戸口 哲尚 (単行本 - 2001/6)
愛用のタイプライター
・・・中略・・・
彼は俺に
この大型タイプライターを買ってくれた
お陰で書くことに励めた
素晴らしく強力なタイプライターだ。
・・・中略・・・
そして俺はパンツ姿でボケーッと座って
スコッチとビールを飲みながら
タイプをバンバン打った。

そしてある夜のことだった
夜中の二時半頃だったと思う
そしてもうそれ以上
動かなくなった
そこで俺は
俺の恩人に電話した

「おい、このキーは動かねえゾ!
こいつはどっか故障してるゼ
おんぼろタイプめ!」

彼が言った、「おい、そのタイプは
どっこも壊れてないヨ、きみは
感覚を身につけることをしないとダメだ
リズム感覚を・・・」

「このおんぼろタイプは役に立たない!」
俺は怒鳴って
電話を切った。
ところが、その翌日その次の

俺は調べてみて彼が
正しいことがわかった

つまり
タイプはまったくどこも悪くなかった、
それどころか、順調そのもので動いた・・・中略?・・・

そして
十四年経った今このタイプは
まだ動いているが
俺はエラクなってしまって
電動タイプライターを買って
今はそれを使っている
それは早く打てる
(たとえ、前より調子はよくなくても)(P.266‐267)
posted by raycy at 07:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 本メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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