2007年06月20日

経済分析の基礎 サミュエルソン 佐藤 隆三

経済分析の基礎 サミュエルソン@amazon 佐藤 隆三 (単行本 - 1986/6)
増補版『経済分析の基礎』
日本語版への原著者序文  
エッジワースの1881年の著書『数学的心理学』を読んでいる時、私はコアという彼の見事な概念を読みそこなった。(前付pp.8)

 日本の読者に向けているので、カール・マルクス Karl Marx の経済学に言及することが適切だろう。日本の学者はマルクスに恋をしてきた。恋というものを説明できる人がいるだろうか。革命家ジョーン・ロビンソンJoan Robinsonと保守主義者ベーム・バヴェルクBohm Bawerkと同じように、私は剰余価値というマルクスの新しい学説を熟考してきた。そしてその学説が、資本主義・ポスト資本主義のトレンドや、良き社会の厚生経済学を説明するのには実りのないものだとわかった。マルクスの経済理論への主な貢献が再生産表であることを認めた点で、私は妙に孤立してきた。再生産表式は、レオンチェフLeontiefやスラッファSraffaに先がけて投入‐産出分析を示唆していた。ヘーゲル弁証法という愚者の黄金とは違い、これはフォン・チューネンvon Thnen、ワルラス L.Walras、ウィクセルR.Wicksellおよびフォン・ノイマンの業績が飾る棚を、又美しく飾るにふさわしい手工芸品である。微弱な賞賛ではないのである。
マサチューセッツ州ケンブリッジ、MITにて
1985年11月
ポール・A・サミュエルソン(前付pp.8‐9)

増補版への序論
『正直ジム』(前付pp.34)
私の人生で最も楽しかったときの一つは、E.B.ウィルソンのギッブス熱力学を聴くことによって、物理学や経済学の実例から独立した永遠の真実を推論できたときであった。(前付pp.38)

何度も何度も編集者たちは、「短くそしてあまり数学を使わないよう」と書いてきた。私は、「どっちをお望みですか。両方実行するのは不可能ですし、一方だけでは最適ではありません」と抗議したい誘惑をのどもとでやっと飲み込んだ。(前付pp.46)

第1章 序論
 いろいろな理論の中核をなしているものの間に類似点が認められるという事実は、そこにここの理論の底を貫いて流れ、しかもそれぞれの中核を互いに結びつけている一般理論が存在することを示唆している。抽象による一般化というこの基本原理は、著名なアメリカの数学者ムーア E.H.Mooreのより30年以上も前に、明快に論述されている。本書の目的は、この基本原理が理論経済学や応用経済学にどのような示唆を与えるかを考察することにある。(P.3)

第3章 極大行動の理論
・・・われわれの変数の均衡値が極値(極大あるいは極小)問題の解とみなすことができる場合には、われわれの解の値のパラメーターの変化に関する質的行動を変数の数とは関係なく明確に決定することがしばしば可能である。2)(p.22)
2) これば本質的に熱力学の方法であることを指摘しておいてもよいであろう。これは特定の仮定(とくに熱力学の第1および第2法則)にもとづいている純粋に演繹的科学であると考えることができる。このような抽象的推論がギッブスGibbsやその他の学者の手により有意義な定理にまで発展していくということが、もとの仮説の正当性を裏付けることになる。(p.22n)

13) これは純粋に数学的定理である。これは有名なル・シャトリエの原理という項目のもとに含まれるいくつかの現象に対応する。その定理がほとんど形而上学的なあいまいさを持つところから、その意味はしばしばあいまいであり、同時に異なった現象の説明に使用されている。上の定式化は容積の所与の圧力変化に関する変化が、エントロピーが一定に保たれ、温度が均衡条件と合致するように変化するときよりも、温度が一定のときの方が大きいという理由を説明している。(P.40n)

6)全く同じような均衡体系の興味ある議論は、J.Willard.Gibbsの有名な論文"On the Equilibrium of Heterogeneous Substances"に見出される。(P.73n)
posted by raycy at 19:00| Comment(0) | TrackBack(6) | 本メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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